2023年1月13日(金)19:00~、サーバントリーダーシップ読書会(オンライン)を開催いたしました。
今回の範囲は、ロバート・K・グリーンリーフの「サーバントリーダーシップ」(金井壽宏監訳、金井由美子訳。2008年、英治出版)の483ページ「10.アメリカと世界のリーダーシップ」から、491ページ12行目(ページの最後)「支援することを通じて支援してもらうこと - なかなか容易ではありません。」まででした。
皆さんで少しずつ回読した後、意見交換しました。
今回は、ブレークアウトセッションに分かれず、全体で感想などを話し合いました。
「権力を持つと傲慢になる、というのは本当にその通りだと思った」
「インドの事例では、インドに自律させないといけないのに、ずっと支援して依存させるのも傲慢なのではないか」
「インドが言うことを聞いてくれるようになるために支援するのではない。お金を与えれば言うことを聞くというのは傲慢だと思う」
「イギリスもかつて傲慢だったというくだりがある。日本もバブルの時はそうだったかもしれない。インドから学ぶこともある。与えたことによって、逆に得ることもある」
「教える側も、相手から学び取ろうとする姿勢が大切」
「インドの人は、はるかに教養のある人々で、謙虚だった。一方、アメリカの専門家は傲慢と言える」
「教えるには、コーチングに近い姿勢が必要かもしれない。相手が育ち始めたときには、相手に任せることも大切。インドはどうしたい?とアメリカは聞くべきだったのではないか」
「今、私はサーバントリーダーシップを学んでいるから、本を読んでいるから、と知らず知らずのうちに傲慢になっているかもしれない」
「カウンセリングでも、相手のためと思いながら独りよがりになっているかもしれない」
「純粋に、見返りを求めないことが重要ではないか?しかし、露骨な見返りではなくても、無意識に見返りを求めているかもしれない」
「チームの成果のためにサーバントリーダーシップを発揮する、ということは打算的なのではないか?とも思うが、支援する側の大義が大切だと思う。大義がしっかりしていれば、部分的に打算的でもいいのではないか」
「言うことを聞いてほしいからサーバントリーダーシップ的になるというのは、打算的かもしれない。悩ましいところだ」
「職場で「長」という役職がついたら、自分が声がけする飲み会の参加率が良くなった。部下は、上司だからというだけで「はい」と言っているだけかもしれない。組織では上下を意識して行動しないといけないと気を付けるようになった」
「阪神淡路大震災で、支援の部隊が来るまでの1~2週間の間に、お互いに助け合っていこうという姿勢が人々の間で表れた。決められたり、頼まれたわけではなく、自ら立ち上がった人々。自分の利益を度外視して人に仕える姿はまさにサーバントリーダーだったと思う」
「仕事中に何かをしてくれたときにありがとうと言うのは「謙虚」。やりたい仕事があるのに、相手のせいで進まないときにイライラするのは「傲慢」。というように、自分の気持ちが1日の中でもコロコロ変わることがある」
「人間なのでイラっとすることはどうしてもある。それをコントロールすることが大切」
「聖人君子ではないので、感情が出ることはある。それを認識した上で、対処すればいい。まずは認識することがスタート」
「イラっとしたり、感情が沸いてくるのは抑えられない。その「怒っている」という自分の感情に気づくことがスタート」
「自分の感情に気づくと、相手の感情にも敏感になる」
「ハーバード・ビジネス・レビューの2022年11月号で「これからの経営者の条件」という特集があった。そこでも、自分の感情に気づく、という項目があった。イライラを分析し、内省する。自分の感情を振り返ることが大切だと書いてあった」
最後に、全体の感想を発表しました。
「今回は自分の経験に基づいて出た言葉が多かった」
「率直に話して、学びが多かった」
「中村哲さんの映画「荒野に希望の灯をともす」を観ると、見返りを求めずに活動する姿勢があるので、ぜひご覧になってください」
「自己満足と純粋さの境目が難しい。しかし、打算的でもいいという声もあり、安心した」
などのご意見・ご感想がありました。
次回は、2月10日(金)開催予定です。
当協会の読書会は、途中回からのご参加も大歓迎です!
みなさま奮ってご参加ください。