2023年6月9日(金)19:00~、サーバントであれ読書会(オンライン)を開催いたしました。
今回は当初の予定を変更し、ロバート・K・グリーンリーフの「サーバントであれ―奉仕して導く、リーダーの生き方」(野津智子訳。2016年、英治出版)の第1章を読みました。
今回は参加者全員で会読した後、ブレイクアウトルームに分かれずに全員で意見交換しました。
できるだけ若いうちにサーバントリーダーシップについて理解してもらうとよい、と書いてある。年取った人に対しては諦めにとれるような言葉もあるが、お手本として期待されている部分もあると理解した。
若いうちからサーバントリーダーを育成していくにはどうしたらよいかをもっと深めていきたい。
強権力・競争と対比させて書いている点、自主性や成文化しない点、ゆっくりでも進めていくことに価値があるような箇所に、サーバントリーダーシップを広めていく苦労が伺え、さらに学んでいきたいと思った。
82ページで、一人も傷つけることがないという流れの中で、ガンジーを「サーバントに合うモデルではない」と言っているが、どういうことだろうかと思った。
82ページで「サーバントは、どんな立派な社会的目標であっても、急いで達成しようとして強引に事を進めようとはしない。その強引さのせいでつらい思いをする人がたとえ誰もいなくても、説得によってもっとゆっくり行おうとするのだ。」と書いてある。物事を早く進めようとするのが一般的だが、ここはかなり静止させるような記載だと感じた。
83ページで、「ある考えや行動が「正しい」と直感したとたんに説得される」とあるが、正しいと自動的に思ったときにサーバントが成り立つのではないか。
83ページで、「説得することをサーバントリーダーシップの重要なスキルとして捉える信念」と書いてあり、勇気を出して道を示したら、このリーダーの示す道は正しい道だと説得されるとあるが、自分もそうなりたいと思った。
87ページで、「わずかな人しか傷つけない」ではなく、「誰ひとり傷つけない」とある。仕事をしている中で「この人は傷ついてもしょうがない」ということがあるが、この文は深く考えさせられた。
オーナー社長の場合は交替がないので、死ぬまでトップでいられる。そういう場合に、社長がトップダウン型のリーダーシップを発揮し続けると、社員が委縮して自発性が失われていき、業績も悪くなっていくのを目の当たりにしたことがある。97ページの「雨傘」効果という、最高幹部が「社員重視」の方針をとらなくても、中間管理職が「雨傘」となってネガティブな考え方から部下を守ってあげることができるという考え方がある。そういう中間管理職すら逃げ出してしまう会社もある。トップダウン型で、自分の考えを押し付けるリーダーシップは今の時代はそぐわないのではないか。
97ページの「雨傘」効果は、もしかしたら自分たちでもできることかもしれない、と思った。
108ページから109ページのところで、「解放のビジョン」に「特定の神学的要素が見受けられる場合もあればそうでない場合もある」という箇所があるが、サーバントリーダーシップは宗教的であると思われがちだが、グリーンリーフ自身はそうではないと言っているのが印象的だった。
グリーンリーフは、セミナリー(神学校)が変わっていけば教会が変わり、財団が変われば大学が変わると考えたのではないか。そのため、セミナリーと財団に期待を掛けて、どうすればよいのかと苦心しているように見える。110ページの最後のところで、「ビジョンがなければ民は滅びる。」「今ではすでに証明されていることも、かつては想像がめぐらされているだけだった。」と引用されているが、ビジョンに従っていけば、すっとうまくいくことを表しているのではないか、と感じた。
などのご意見・ご感想がありました。
次回は、7月14日(金)開催予定です。
12月まで「サーバントであれ」を会読します。
当協会の読書会は、途中回からのご参加も大歓迎です!
みなさま奮ってご参加ください。