2023年8月18日(金)19:00~、サーバントであれ読書会(オンライン)を開催いたしました。
今回は、ロバート・K・グリーンリーフの「サーバントであれ―奉仕して導く、リーダーの生き方」(野津智子訳。2016年、英治出版)の第2章を読みました。
今回は参加者全員で会読した後、ブレイクアウトルームに分かれずに全員で意見交換しました。
■113ページ6行目、一般教養教育です。
成熟という行為を成せるのは一般教養教育だと言っているのだと理解した。これは、日本に学ぶ者にとって、最も欠けている観点だと思う。かつて大学で、教員は一般教養教育の教員ではなく、専門教育の教員になりたいと望むことが多かった。これは、一般教養教育が一段下に見られていたからである。スキル教育の方が上だという考えがあった。グリーンリーフは、職業のためのスキルを身につけることよりも、一般教養教育こそ「最高の自分になる」成熟のためには大切だと言っているのではないか。
茂木健一郎氏が養老孟司氏に、どうすれば他人と分かりあえるのか尋ねたところ、養老氏は「必要なのは教養だ」と言ったという記事を読んだ。自分以外の人を理解するには、自分の中にないものを入れていくことで相手が持っているものに理解を示すことができ、分かりあえていくということなのだろう。奉仕して導くときに、一番必要なことは相手を理解すること。だからこそ、教養が大切だということを学生に伝えているのだろう。相手を分かることで、自分が何者かという自己概念・アイデンティティが見えてくる。自分は何者かというのは、人と関わることで見えてくるものなので、敢えてこれを言ったのではないか。
■131ページ12行目、「人間に品格をもたらす車などありません。人間が車に品格をもたらすのです」
乗っている車がさも自分を表しているように振る舞う学生がいるのだが、単純な言葉で真理をついているので、学生に響くかもしれない。
■132ページ9行目、entheos「意欲をかき立てられた人を実際に行動させる力」
今でいう「やる気」や「モチベーション」なのかもしれないが、それが無くして人生は成り立たないと述べている。それが確立していかないとサーバントにはならないのだろう。
■132ページ15行目、「最高の自分になる」という意味での「成熟」
自分のキャリアの中で、どうしたいかの答えはないが、「こうありたい」と望むものが自分の中にあり、それを目指している状態が成熟なのではないか。
この読書会で気づかされたことを職場で共有していきたい。教養とは通り一遍のものではなく、奥深いものだ。
一人で読むよりも、皆さんと議論することでとても理解が深まると毎回感じている。少しずつサーバントリーダーに近づけるような気にさせてくれるのが、この読書会の楽しさだと思う。
今日読んだ所は、人間の成長・成熟というものがサーバントリーダーシップを目指したものだということがよく分かる箇所だった。
などのご意見・ご感想がありました。
次回は、9月8日(金)開催予定です。
12月まで「サーバントであれ」を会読します。
当協会の読書会は、途中回からのご参加も大歓迎です!
みなさま奮ってご参加ください。