2024年9月13日(金)19:00~、サーバントリーダーシップ読書会(オンライン)を開催いたしました。
今回の範囲は、ロバート・K・グリーンリーフの「サーバントリーダーシップ」(金井壽宏監訳、金井由美子訳。2008年、英治出版)の
・181ページ9行目「Ⅱ 組織社会における権力と多義性」から
・203ページ9行目「はっきりと見分けられることだ。」まで
でした。
全員で会読した後、ブレイクアウトルームに分かれて意見交換しました。
■186ページ9行目「トラスティには、経営者よりも変化を受け入れる度量がある。」
組織は変化していかないとよくならない。
組織に変化を促す役割をトラスティが担っているなら、それは非常に重要な役割ではないか。
■202ページ16行目「パットン将軍が野戦病院で平手打ちして罵ったことに対処したときだった。」
ここは刺激的な表現だが、その事情について補足しておく。
パットン将軍は非常に戦争好きで有名で、闘将と呼ばれていた。
1943年にイタリアのシチリア島の軍人用の病院を訪れた際、そこで怪我や重い病気など一見して悪いところがなさそうな患者の兵士を見て、怒って彼を平手打ちにした。
ところがその患者は戦争神経症という、PTSDのような精神性の障害だった。この行為が指揮官として不適切だと、後に大統領になる司令官のアイゼンハワー将軍の怒りを買ったという話である。
その状況の中で、アイゼンハワーがパットンの起用を続けたという判断は、グリーンリーフが言うように新しいリーダーシップが受け入れられることは、一筋縄ではいかないことを示していると感じる。
自分が昔働いていた企業では、2種類の「かんり」という用語があり、それをサラカンとタケカンという言い方で使い分けていた。
サラカンは「監」の字を使う監理で、タケカンは「管」を使う管理だ。
サラカンの監理は、組織がその役割や期待に沿って正しく機能し成果を出しているかを俯瞰し、監督するという意味で用いていた。
タケカンの管理は、いわゆるマネジメントのことであり、仕事が円滑に進むようにコントロールする意味がある。
グリーンリーフはトラスティをサーバントリーダーとして描いているが、その役割は、サラカンの監理の方に近い。
われわれは、しばしばリーダーをマネージャーと同義としてしまいがちだが、管理ではなく監理という点からリーダーとは何かとの認識を変えていかないといけないと感じる。
医療業界で働いているが、自分たちが知らないうちにトラスティのような立場の人たちの恩恵を受けていたのではないかと感じることがある。
具体的にだれがトラスティの立場にあるのかはわからないが、彼らが医療業界を変えてきたんだな、と実感したことがあった。
などのご意見・ご感想がありました。