「第6回実践リーダー研究会」を開催致しました。
ゲスト:鎌倉投信株式会社の鎌田恭幸(かまた やすゆき)氏
鎌倉投信は公募の投資信託を運用する会社です。
結果が全ての金融業界にあって、その投資対象は、本業で社会問題を解決する【いい会社】です。
鎌田社長は、まだ立ち上げたばかりで「成功」とは言えないと断りながらも、この数年間での経験の中で得たものをお話していただきました。
鎌田社長は、リーマンショック後の大変な時期に鎌倉投信を立ち上げました。
誰もやらない大変と言われるところこそ、逆に優位になれる可能性を秘めています。
このような大変な時期の創業にもかかわらずここまでやってきたのは、最初の半年間に行った、創業メンバー4人での徹底した議論のおかげです。
その時期にどういう方針でどういう方向へ進むか、を徹底して議論しました。
前職では、何のためにやっているのか苦しんだので、本当にやりたいことをやろうと考えたのです。
さて、企業は事業性だけではなく、社会性も必要だと考えています(企業=事業性+社会性)。
それは、投資も同じです。
投資の成果を追求するだけではなく、投資によって健全な社会を実現することが大切なのです。
そこで、「結い2101」という投資信託では、【いい会社】に投資することで、いい会社を増やし、それを通して投資家の人格も育てることを目指しています。
そのために、運用報告会としてユーシン精機やデジタルハーツなどの投資先の社長の話を投資家が聞く場も設けており、投資先の社長には株価や業績について話してもらうのではなく、どういう思いで事業を行っているかを話してもらっています。
投資先である【いい会社】を探すために、様々な企業の社長とお会いしてきました。
その中で、いい会社の社長に次のような共通の要素を見つけ出しました。
(1) 圧倒的な使命感
いい会社の社長は、会社の存在意義を徹底的に考え、その使命感は非常に大きなものです。
(2) 謙虚さ
いい会社の社長は、謙虚で人に耳を傾け、傾聴の姿勢を持っています。
(3) 人に対する関心の度合いが高い
例えば、ツムラの加藤社長は就任時、まず経営理念を浸透させたいと考え、全員と握手をしたそうです。
(4) 勉強家
会社が成長し続けるためにどうすればよいか、Only OneやNumber Oneになるために常に勉強しています。
(5) 現場主義
社員とスクラムを組めるように現場に足を運びます。
社長室にこもっているようではだめです。
かつて17世紀に「商業資本主義」が起こり、18世紀中ごろになると「工業資本主義」に、20世紀後半には「金融資本主義」に発展しました。
しかし、今、この21世紀には社会価値創造型の資本主義が重要になっています。
今後もこの流れは加速し続けるでしょう。
これからも健全ないい会社を見つけて育て、少しでもそういう会社が増えるように一助となりたいと、鎌田社長は締めくくりました。
穏やかな話しぶりの中にも非常に熱い想いをお持ちの鎌田社長は、成果に目が行きがちな金融の世界において何が本質かを見極める先見性、そして想いを実現に移す実行力、創業メンバーの話を聞く傾聴の姿勢など、まさにサーバントリーダーだと思いました。