過去の活動報告

第5回 実践リーダー研究会 開催報告

開催日時:
2013年2月26日(火)19:00~21:30
場:
レアリゼアカデミー

「第5回実践リーダー研究会」を開催致しました。
ゲスト : マテックス株式会社の3代目社長、松本浩史氏

マテックス株式会社は、窓ガラスの「卸事業」を主とした創業85年目の老舗企業です。
業界全体の売上が2ケタも減り、また業界構造もメーカーによる直販化(流通業者の中抜き)と価格競争が激化しているにも関わらず、社長就任後4年連続増収増益を達成。松本社長は、どのようなリーダーシップを発揮されてきたのかを忌憚なく披露いただきました。

社長就任後、最初に取り組んだのが「経営理念」の明文化です。そのために、創業期から受け継いできた価値観を再確認しました。
同時に、松本社長には「売上最大、コスト最小」を追求するだけでは通用しない時代、「社会性」重視の時代になったという時代認識がありました。社会に生かされる社会志向型企業になる必要を感じていたそうです。
そこで「マテックスはなぜ存在するのか・・・」「その目的は何か・・・」「これからどう在りたいのか・・・」といったあり方を深く考え抜くことで「経営理念」を制定したのです。自社のアイデンティティも明確にしました。

①窓を通じて社会や環境に貢献する
窓を防犯対策やエコへの配慮という観点で捉え直したのです。中でも、省エネ効果の高い
窓を『エコ窓』と名づけ、『エコ窓』の普及をすることで地球環境保護に貢献しようと
取り組んでいます。
地域で開催されるエコフェアや小学校で行われる環境教育など、『エコ窓』を普及する
ための「エコ窓普及促進会」の設立をはじめ、復興支援プロジェクトの
「ECO MADO AID」などに取り組んでいます。
これは、一見ビジネスとは関係ないように見えますが、自分たちの経営理念を形にした
ものであり、従業員や顧客に対して、その本気度を示すことにもなっています。

②地域の担い手の支援
一社だけが成功するのでなく、「共創共栄」の生態系を目指して、お客様であるガラス
販売店や工務店に対して、様々な支援を行っています。
・リテラシー向上と職人意識からサービス業意識への意識転換の勉強会実施
・後継者問題を解決するための次世代経営者のネットワークの創設  等・・・

◇社内においては、気軽にお茶を飲みながら社員と直接対話する『経営理念浸透カフェ』を実施しています。
社員一人ひとりが大切な存在であることを感じてもらえるように、社員の名前、性格、お客さんとの関わりを踏まえて接しているそうです。

◇毎年、年末に第三者に『マテックスの社会的取組ミ』を客観的に評価してもらっています。
松本社長は、社員にとって仕事が作業ではなく、「仕事の大切さ」を実感できるように心を砕いています。
また、物事を見るモノサシを短期から超長期に変えて、自分が担当できる約30年間に、永続的に世の中かた生かされる企業にしたいと取り組んでいます

非常に心優しく、謙虚でありながら、先見力を持ち、大胆に会社のビジョンを示して進んでいく松本社長に理想的なサーバントリーダー像を見た想いです。