過去の活動報告

第28回 読書会 開催報告

開催日時:
2013年6月14日(金)19:00~21:00
場:
レアリゼアカデミー
今回から第5章「教育におけるサーバント・リーダーシップ」に入ります。
第5章の初回は270ページから276ページの13行目までを読みました。
グリーンリーフはサーバント・リーダーシップの育成に向けて学校教育を重要視しています。
その立場から本書を書いた1970年前後の米国の中等教育や大学教育への建設的な批判を展開しました。1.リーダーの素質がある人材(学生)に対してリーダーシップを教えていない。
2.学校(特に大学)や教育者が学校教育は学生の個人的な経済的成功のためにあるとの考えを持っている。
3.学生に価値観については教えても、どのような人材になるべきかを教えないように指導に混乱があり、学生の道徳規範を支える立場から大学が撤退している。

今回の読書会参加者はいずれも日本で教育を受けてきており、グリーンリーフが指摘する1970年前後のアメリカの教育問題について細かく正否の判断はできませんでしたが、それぞれの経験や見聞に基づいて活発に意見が交されました。

・日本の大学も学生がリーダーシップを体得するための教育は実施していない。
リーダーシップは教室だけで教わるものではなく、活動実践や自らが考える経験が重要。
・複数の大学が学校の枠を超えて交流し、学生同士がかなり深い議論を行っているケースがあり、参加する学生には良い経験になっている。
・初等教育から自ら考える習慣づけることは将来において効果がある。
そのような教育の場合、生徒を導く教員の役割は重要である。
・当事者意識を持って自分の役割を忠実に実行し周囲に貢献することもリーダーシップである。

会読はグリーンリーフによるクエーカー教徒が設立運営しているウエストタウン・スクール(フレンズスクールと呼ばれる初中等学校)の理事向けのセミナーについて言及した箇所に入り、参加者による中等教育についての活発な議論が続きます。

参加者から「長年不登校だった生徒があるとき突然、学習意欲を示して数年の遅れをあっという間に追いついた」という事例に、「青少年の学習意欲が開花する時期はわからない。学校教育は短期的な成果を求めない、時期を待つ長期の視野が必要。リーダーシップ教育も同様であろう」という意見で締めくくられました。

次回は7月26日(金)19:00~21:00 レアリゼアカデミーで開催予定です。