今回読んだ箇所(234ページ4行目から238ページ13行目まで)は、昨年暮れに引き続き、グリーンリーフ氏が1970年に執筆した「倫理と、人を使うこと」という論文です。
毎回難解な文章で、解釈をめぐってさまざまな意見が交わされました。今回はメンバーのお一人が原書を持ってこられ、該当部分を全員にコピーして配布していただいたお陰で、原文の意味を確かめることができました。
読み進める中で、「産業界には職業規範というものがまるでないように思われる」との一文には、現在では違和感を感じるという意見が複数挙がりました。アメリカでは76年のロッキード事件をきっかけに倫理規定が定められ、それ以降、企業倫理が厳しく問われるようになったとのこと。「この事件を契機にこれまでの成長段階から成熟期にステージが変わったのではないか」、「腐敗や汚職に対する社会的影響力が非常に大きいので、現在、CSRの概念が強く出てきたのではないか」といったいくつかの意見が交わされた中から、「会社は何のために存在するのかが問われている」と企業の存在意義を問う発言がなされました。
そして「それ故に本当のCSRは、本業の外にあるのではなく、本業として行っている仕事の中にこそある」と。含蓄ある深い言葉だと思います。
読んだページは5ページでしたが、今回も著者の見解とそれに対するメンバー間の熱い意見から、さまざまな気づきを得た読書会でした。
次回は2013年2月12日(火)を予定しております。
是非、ご参加ください。